王道日本 佐野雄二氏ブログ、
急所を突いていますので転載します。
「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書が不合格となったことで、近隣諸国条項の規定があらためて問題となっている。
近隣諸国条項とは、1981年の宮沢喜一官房長官時代に、「日本史教科書が、中国・華北への『侵略』という表記を、検定で『進出』に書き直された」という誤報が発端となり、中国・韓国が抗議して外交問題となった。
それを受けて「近隣諸国に必要な配慮をする」という検定基準が設けられた。
この規定は、その後の歴史教科書が左傾化し、自虐的になる根拠ともなっている。
最近では「日本が侵略戦争をした」だけでなく、「南京事件の犠牲者が30万人」とか、「1949年の中共政権樹立は連合政権だった」と記述するよう修正を求められたり、聖徳太子を「厩戸王(うまやどおう)」と変えろとか、常軌を逸した指導となっている。
この検定官の左傾化の問題は相当に深刻で、内情を探ると、過去に「野田英二郎事件」というのがあった。
2000年の検定時に、外務省チャイナスクール出身の野田という人物が検定調査審議会の委員を務めていた。
彼は元駐インド大使で日中友好館副会長を努めていて、「つくる会」の教科書に「中国に対して失礼だ」、「不合格にすべきだ」と、他の委員に手紙や電話で不合格を働きかけたのである。
その行動が産経新聞のスクープで表ざたになり、彼は外されたが、後日、外務省の御用学者から、「何であんなことを書くのか。
審議会の委員が意見を言うのは当然だ」と圧力があったという。
結局、色々批判があるのに、近隣諸国条項が今でも守られているのは、外務省・チャイナスクールと日本の「歴史学会」を牛耳る左翼学者、それに自民党・親中派の議員が連携して死守しているからということになる。
問題は、他国には「近隣諸国条項」が無いのに何故、日本だけあるのか、ということも含めて、自国民が誇りを持てるように歴史を教えるのは独立国として当然である。
それを知ると、第1次安倍内閣で「日中の歴史共同研究」をやったことは明らかなマイナスであった。北岡伸一座長のもと、左翼学者を多く入れ、侵略戦争と南京虐殺の事実を認めたからである。
今後も近隣諸国条項の議論は続こうが、仮に外せても、「日中の歴史共同研究」で認めたことを覆すのは相当の労力がいる。
北岡氏を座長にした外務省・チャイナスクールの媚中ぶりを含めて、第1次安倍政権の罪は重いと言わざるを得ない。
【歴史市民塾・澤井コンサルタント事務所代表の投稿から頂きました。】